チャプター 185

「ヘンリー、君は私の妻を奪ったとき、倫理観ってものを急にどこかへ置き忘れたのか? そのとき君の良心はどこにあったんだ?」

ヘンリーの声が、鋭く冷たく、夜気を切り裂いた。

もしソフィアがアレクサンダーの車に乗っていなければ、ヘンリーはそのまま真っすぐ突っ込んでいたかもしれない。

ソフィアがアレクサンダーと一緒にいる。それだけで、ヘンリーには耐えがたかった。二人が触れ合っているわけでもない。だが、ただ並んでいる姿を目にしただけで、血が煮えたぎる。

あの女――自分の妻は、アレクサンダーの前ではあんなにも楽しげに笑うくせに、自分に向けるのは軽蔑ばかりだ。

いったい何の権利があって? 法の上で...

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